相続財産を洗い出し、相続人の間でどう分割するかを決めたら、相続人全員が署名・捺印した「遺産分割協議書」を作ります。遺産分割協議書は、のちのトラブルを避ける目的もありますが、相続のもろもろの手続きの際に必要になります。
専門家に依頼すれば遺産分割協議書も作成してもらえるようですが、自力で作成してみました。
遺産分割協議書とは
こんにちは、ふぶさんです。
「遺産分割協議書」は、遺産分解協議で相続人全員が合意した内容を文書化したもので、相続人全員が署名・実印で押印し、印鑑証明を添えて、おのおの1通ずつ保管します。
遺産分割協議書の作成は義務ではないようですが、あとあとのトラブルを防ぐ目的があり、また金融資産の払い戻し、相続税の申告、不動産の相続登記などでも必要になります。
以前の記事「相続体験記(13) 遺産の分割」にて、亡父の遺産は、母が実家を相続し、ふぶさんがその他の資産(預貯金や有価証券等)を相続することにしたことをお話ししました。
高齢の母は「なんでもアンタのいいと思うようにやって」と、丸投げしてきます。
トラブルになるようなことはないと思いますが、名義変更などもろもろの相続手続きに必要ですので、面倒でも作らねばなりません。
遺産分割協議書のひな形
遺産分割協議書に様式は決められていません。
縦書きでも横書きでも、毛筆の手書きでもパソコンで作成してもかまわないようです。
しかし、用紙が複数になる場合は、用紙と用紙の綴じ目に相続人全員の割印が必要とのことです。
はい、こういうの困りますよね。
自由に書けと言いながら、不備があれば無効扱いされるかもしれない。
必要事項を記入するフォーマットを、なぜつくらないんでしょう?
書類を処理する側だって、定型の書式の方が機械処理もできるでしょうに。
いや、マジで合理化してください。
一応、公的な機関の遺産分割協議書のひな形としては、法務局や税務署のひな形があります。
法務局のWebサイトでは、この記事の執筆時点で以下のようなひな形がダウンロードできます。
ただし、不動産の登記申請のためのひな形なので、預貯金や有価証券などの記載例はありません。
縦割り行政…。
国税庁のWebサイトからダウンロードできる「相続税申告のしかた」には、以下のような遺産分割協議書の記載例があります。
縦書き・漢数字で古めかしい感じですね。
今時の文書としては扱いづらそう。
必要なポイントさえ押さえれば、この2つのお役所のひな形どちらかに合わせる必要もないようですので、この2つも参考にしつつWORDで作ってしまうことにしました。
遺産分割協議書の作成
うちの場合、WORD文書(A4サイズ)で必要事項を記載していくと、2ページの分量になりました。
用紙が複数になる場合は用紙と用紙の綴じ目に相続人全員の割印が必要とのことですが、割印がいらないよう、2in1で出力しA3用紙1枚に収めました。
相続人全員分の遺産分割協議書に、全員の割印とか、なるべく避けたいですもんね。
上記は抜粋ですが、だいたいこんな感じのものを作りました。
気を付けたのは、以下のような事柄です。
実際、この後の諸手続き(金融資産の払い戻し、相続税の申告、不動産の相続登記等)にあたって、上記の遺産分割協議書を提出し、特に何事もなく処理してもらえました。
遺産分割協議における問題
遺産分割協議書は、相続人全員の合意がないと完成しません。相続人の数が多く、また遠方だったりする場合、署名・捺印をあつめるだけでも大変かと思います。
相続人の中に非協力的だったり内容に不満があったりする場合、「ハンコ代」なるものを支払って協議書を完成させることもあるとか…。
また、相続人の中に認知症などで意思能力がない人がいる場合の協議は無効となってしまうようです。
高齢者が亡くなれば、配偶者だって高齢で、認知症のケースなんて山ほどあるでしょうにねえ。
うちの母は高齢ではありますが、協議書の内容も理解できますし、住所と名前も自分で書けます。
母が心身ともに元気でよかった~
世間一般でいえば、うちは課題が少なく楽ちんな部類なんじゃないかと思います。
その楽ちんな部類であっても、一連の相続の手続きはと~っても大変です。
この高齢化社会、相続の手続きももっと高齢者にもフレンドリーでないと、マジで詐欺師とかにつけこまれる余地がいくらでもありそうなのでは…、と不安になってしまいます。
※本記事では、固有名称は伏せつつ、できるだけ正確な記載に努めていますが、時期や地域等で事情は異なります。あくまでも一個人の事例と認識ください。
コメント