ふぶさんは「ベルばら」が大好きです。
ベルばらとは、あのオスカル様が出てくる少女漫画の名作中の名作、池田理代子作「ベルサイユのばら」。記憶力抜群の子供のころから集英社マーガレットコミックス全10巻をアホほど読みふけったせいで、単行本が手元にない今でも、ほとんどの場面を脳内再生できてしまいます。
そして、ベルばら屈指の名ゼリフといえば!
フランス王妃マリー・アントワネットのお気に入りにして、天使のように美しく優しげな貴婦人、ポリニャック夫人による記事タイトル。
もんくがあったらベルサイユへいらっしゃい
パリの町娘ロザリーの病気のおっ母さんを、馬車でひき逃げしていく時の捨てゼリフがコレ。あらためてスゲエ。
まあ、ひき逃げしたことに弁明の余地はありませんが、病気で寝ていたはずのおっ母さんがポリニャック夫人の馬車の前にわざわざ飛び出していったというのが、実は重大な伏線だったんですよね…。
ロザリーは母のかたきをうつため、「青い花もようのドレス、ブロンドのまき毛」だけをたよりにポリニャック夫人を探します。しかし庶民育ちなので、ベルサイユ宮殿と間違えてオスカル様のお屋敷にしのびこみ、ポリニャック夫人と間違えてオスカル様のお母様に切りかかってしまい、オスカル様に取り押さえられてしまいます。
…連続するエピソードがいちいちドラマチック、昔のマンガってホント濃いい。
オスカル様は言います。「ダマスク織りの青い花もようのドレスなど、貴婦人ならみな1着は持っている」
ローブ・ア・ラ・フランセーズ
服飾史の本で調べてみたところ、フランス革命直前、ロココ時代の貴婦人のドレスは「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」というもの。オスカル様の軍服はデザインを重視して時代考証的にはちょっとズレているのですが、ポリニャック夫人は典型的なローブ・ア・ラ・フランセーズを着用しています。
構造としては、ペチコートでたっぷり広げたスカートと、前あきの長いローブ、そしてなんと胸の部分は「ストマッカ―」という「逆三角形のパネル板」だったらしい。さらに背面は、首元から裾まで「ヴァトー・プリーツ」という布を長く垂らすのが流行していたそうです。
胸の部分は板だったのか…。
で・きるかな、で・きるかな、はてさてブブ~。…と作ってみたのがこちら。
左から、ローブ、ストマッカ―、スカート、ヴァトープリーツのつもり。
ストマッカ―には、装飾にリボンをふたつ。ローブ裏とストマッカ―にホックをつけて、胸の前4か所でとめるようにしてみました。
スカートのシルエットも、ポリニャック夫人のドレスはお椀型じゃなくスッキリとした富士山型だったので、そっちのイメージで。
あとまあ、ヴァトープリーツはもっと布をたっぷりとさせた方がいいんでしょうけど、とりあえずその場で生じた細いハギレを折ってそれっぽく。
リカちゃんキャッスルお人形教室の金髪巻毛リカちゃんに、本来のボディのまま、髪を高く盛り上げて試着してもらいました。
お流石でございますな。
フランス人とのハーフ設定なだけあって、フランス風ドレスがにあいすぎ。しかも、胸元をがっつり見せるデザインに、リカちゃん本来のボディがよく合う。稼働ボディのピュアニーモだと、肩や胸が貧弱すぎて合いませんでした。
さらにもっと、ローブのふちに装飾ブレードをつけたり、髪かざりを増やしたり(アントワネット様ばりに、野菜とか軍艦とかのせて)したら面白そう。あと首のチョーカーもリボン巻くだけじゃなくなんかデコれないかな。
まあ、あとでまたやろ。人生は長い。
小劇場
ポリニャック夫人「それは…、あの…、宮廷にでて体面を保っていけるだけの、十分なお金がないからでございます」
王妃マリー・アントワネット「ま…あ! お金がないなんて、この世界でいちばん恥ずかしいことを、ちっともかくさずに…。なんという清らかな魂を持った人なのかしら…!」
ベルサイユのばら(池田理代子)より
アントワネット様、チョロすぎです。
貴婦人A「どうでしょう! とんだ天使もあったものだわ! あんな優しそうな顔をしてて、すごい策略家だったのね!」
ベルサイユのばら(池田理代子)より
貴婦人B「王妃様のおひとよし!」
貴婦人C「ポリニャック伯爵が郵政大臣ですって!? 彼にどんな手柄があったというの?」
貴婦人D「おまけに年間の俸給が5万4千リーブル(約6億5千万円)‼」
いや~、つくづく濃いベルばらの世界。そら大ヒットもするわ。
ポリニャック夫人が、天使のような容貌と「お金がない」発言で王妃の心をつかんだ、というのは史実に基づいています。肖像画でも、現代の感覚で見ても超美人で、本当に優し気。
ただしタイトルのセリフはベルばらオリジナル。
声に出して読みたい名言。
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